新年明けましておめでとうございます。新年早々ではありますが、筆者が勤務する奈良女子大学からのご案内をさせていただきます。2月20日(土)は、午前9時より午後4時頃まで奈良女子大学にて子ども学研究集会が開催されます。本欄には学長と学部長の祝辞、並びに実行委員長の挨拶を掲載しました。内容の詳細はこちら
一般参加者にも門を開いておりますので、子どもの問題に関心のある方は奮ってご参加ください。なお、参加は無料です。
子ども学研究集会に寄せて
奈良女子大学長 野口誠之
文学部に子ども学プロジェクトが発足したのは、法人化の前年、2003年4月のことです。教育-研究-実践-社会貢献を連動させる、本格的なプロジェクトとして、出発しました。その後、本学は国立大学法人となり、この間、本学の変革に歩を合わせて、子ども学プロジェクトの活動は発展してまいりました。とりわけ、子ども学分野の科目開講に積極的に取り組み、さらには文学部に専門コースを開設するなど、教育分野において目覚ましい進展がありました。また、本学の地域貢献事業において「次世代自立支援の子ども学」のプログラムを実施し、社会貢献分野で先進的な取り組みを行ってきました。
このたびの子ども学研究集会は、7年間のこれまでの活動を総括し、新たな展望を描くためのマイルストーンとして、記念すべき集会となるでしょう。
本学は、初等・中等教育の教員養成に取り組む奈良女子高等師範学校として創立してから100年になりました。創立以来、一貫して、子どもの育ちと学びを研究し、その成果を社会に還元する姿勢をもち続けています。また、大学と附属学校園との連携・協働は全国に誇る実績をあげておりますが、その一翼に子ども学プロジェクトが参画しています。今後も、本学の特色の一つとして、子ども学プロジェクトを位置づけると共に、活動が一層、展開し、大学の研究教育と社会の変革とに貢献することを期待しております。
子ども学研究集会に寄せて
奈良女子大学文学部長
出 田 和 久
文学部子ども学プロジェクトは、多様な学問的方法が共在する文学部の特色を生かすプロジェクトと位置づけられ、学際的に「子ども」とは何かを問うことを目的として2003年4月にスタートしました。魅力ある大学像が求められるなかで、文学部をより魅力あるものとするためには何をなすべきか、何ができるか等について、フォーラム等で出された意見を参考にしながら、文学部将来計画検討委員会で様々な議論を重ね、教授会における数度の審議を経た結果でありました。
今改めて「子ども学」の基本的なコンセプトを振り返りますと、「子ども」を単に年齢的な区分にとどめて捉えるのではなく、家族・ジェンダー・ライフサイクル等を視野に入れた関係性としての「子ども」の視座から、対象としての「子ども」を照射することによって、現代社会の喫緊の課題として社会的要請も強い「子ども」の心理・健康・教育問題に対して、単なる対症療法にとどまらない対応策を見出すアプローチとが可能となるというものでありました。「子ども」をこのように捉えることによって、奈良女子大学文学部における「子ども学」としての特色の発揮が期待され、そのプロジェクトの推進の核としてお迎しえたのが濵田壽美男教授でした。このことは、第10次定員削減を引きずりながらも国立大学の独立行政法人化を翌年に控え、文学部としてはじめての試みであるプロジェクトを成功させようとの決意の表れでもありました。爾来約7年間にわたり、人間科学科を中心とする教員の支援を得て、シンポジウム、公開講座、地域貢献事業、さらには定例研究会(公開)、映画会の開催と多様な取り組みの中心として濵田教授が活動して来られたことは周知の通りです。
このたび、文学部子ども学プロジェクトの牽引役を担われた濵田教授の定年退職を前に開催される本研究集会には、これまでの本プロジェクトの総括の意味も込められているものであると思います。私はかつて文学部将来計画検討委員会の委員長として本プロジェクトの発足にも深く関わりましたので、本「子ども学研究集会」の開催を祝すとともに成功を収めることを祈念しています。さらに本研究集会を通じて、子ども学プロジェクトが当初の目的をどの程度達成できたか、また今後どうあるべきかについても指針が得られればと大いに期待を寄せています。
子ども学研究集会の開催にあたって
真栄城輝明
(準備委員長)
このたび、これまで「子ども学プロジェクト」を牽引してこられた浜田寿美男教授が定年のため退職されることになりました。周知のように、本プロジェクトは、7年前に浜田教授を迎えて立ち上げられたという経緯があります。
そして、5年の歳月を掛けて、今から2年前に「子ども臨床学コース」が生まれました。ということは、現在の2回生が第一期生というわけですが、彼女たちの卒業を待たずに本学を去ることは、本コースの担当教授にとっていささか心に残すものがあるのではないかと推察されます。今回の研究集会は、そのような背景の中で企画されました。
そこで、記念講演に"退官記念講演"としての意味合いを含ませたことは、自然なことでした。さらに、シンポジウムもそれと関連しており、テーマとシンポジストの選任は、浜田教授にお願いしたところ、プログラムで示した内容になりました。
先述したように、本学の"子ども臨床学コース"は、"子ども学プロジェクト"という産みの親が長い妊孕期間を経て、産みだしたものです。いまようやく生後2歳を過ぎたところですが、今後、その子が健やかに育っていくためには、周囲の愛情はもとよりですが、これまで以上のエネルギーを必要とすることでしょう。
幸い、今回の研究集会を開催するに当たって、野口学長と出田学部長より寄せられた祝辞が、大きなエネルギーとなることは間違いありません。
さらに、「子ども学」は、第三学科の4つのコースを繋ぐものとして、今後ますます重要なキーワードになっていくように思われます。そして、今回の「子ども学研究集会」は、第三学科という横の繋がりだけでなく、在校生とOGという縦の関係をも繋いでくれることが期待されます。準備委員一同が、学内外から広く一般演題を募集することを企画したのも、そんな期待からでした。当日は一般にも公開されております。「子ども学」に関心のある方のご参加をお待ちしております。