飯田順三先生の講演を聞いて

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105日の土曜日に奈良女子大学の「次世代支援の子ども学」は、地域貢献事業として奈良県立医科大学の飯田順三教授(児童精神科医)を招いて「子どもの心を育む子育て」と題する講演会を開催しました。一般市民の中に交じって学生たちも参加しており、その中の一人が講演を聞いた感想をレポートにして提出してくれましたので、本欄にて紹介します。

 

 講演で興味深かったのは、発達障害である子どもにだけ焦点を当てるだけでなく母親にも目を向けた内容だったことである。これは発達障害の子に限った話ではないが、電車等で子どもが騒いだり、泣いたりしてしまうと、周りの人たちは迷惑そうな目でその親子を見てしまう。そしてどこかで「子どもをあやすことができない母親の責任だ」と感じていると思う。世間から冷たい目を向けられてしまっているのは子どもだけではなく母親も同じであり母親は心を痛めていることを私たちは認識しなくてはならないと感じた。少子高齢化になり、子どもを増やしていきたい日本は子育て支援の団体があったり、経済的に支援する政策ができたりしているが、本当に今、必要なことは子どもを社会全体で育てていこうとする人々の意識であると私は思う。母親は確かに子どものことを想っており、強い存在であるとは思うが、それ以前に女性であり、一人の人間である。世間の視線は気にしてしまうし孤独になってしまうのも辛いのである。そういって徐々に困ってきた母親を社会が見放してしまうと、虐待・愛着障害で苦しむ子どもが増えるのではないかと私は考える。虐待をされた子どもを守ることは勿論大切なことであるが、その前に虐待をしている親を守る存在が必要なのかなと感じる。

講演の中でとくに印象的だった言葉は「発達障害は困った子ではなく、困っている子である」という言葉だった。私は今までその発想がなかったため、素直になるほど!と感じた。さらに「発達障害は発達する」という言葉も、おお!と思った。発達障害の子が問題な行動を取るのはその子が困っていてSOSのサインを出しているのだと考えると、私たちはどうしたらその子が安心することができるかを前向きに考えることができるようになるだろう。

 「一家の太陽のような存在」として例えられるのは母親が多いように思う。母親の情緒が安定し、いつも笑顔でいることは子どもにとって絶大な影響を及ぼしているのだとこの講演を聞いて感じた。子どもは私たちが思っている以上に親を見ているし、いろいろ考えている、だからこそ親からの影響を直に受け、それらが様々な症状となって表れているのだと感じた。私も子どもにとって太陽のような存在になれたらいいなと思う。暖かくていつも照らしてくれるような存在のことである。しかし、そんな存在をずっと保ち続けられる人はなかなかいない。支えがいるのだ。太陽のような存在であり続けるためにその人を支えてくれる人が必要なのだ。それは、身近でいえば家族といえるだろうし広い範囲で言えば社会なのではないかと私は考える。

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