僕のアスペルガーママは世界一(日本文学館)

713日の金曜日のことですが、表題の本が私の手元にやってきました。著者は林草布子さんという岩手県出身の元教師です。長く特別支援学級の担任をされた方で、その時の体験をもとに生まれた作品のようです。2009年と2010年にも著書を贈呈していただきましたが、その2冊は詩集でした。本書は3冊目の著作になりますが、前2冊とは趣を変え、童話として出版されたようです。全文で44頁という薄さも手伝って、扉を開くと夢中にさせられ、一気に最終章の出口まで来てしまいました。息子の視点からアスペルガーの母親を描写するというユニークな筋立てになっており、アスペルガーの特徴を分かりやすく描き出しています。アスペルガーに関心のある方には、是非一読していただきたい本です。本欄には、小学校一年生の息子が母親あてに書いた手紙の部分を抜き出して紹介したいと思います。

 

ぼくからママへ

ママ、これは、夏休みの宿題の手紙です。ぼく、こんなに楽しくてまちきれないって思った宿題ははじめてです。ぼくね、おばあちゃんたちやパパからママの話を聞いて、しあわせな気分になったよ。ぼくが生まれたことをみんなよろこんでくれたんだなあってとてもうれしかったんだ。ママがぼくに会いたいって思ってくれたおかげだね。ありがとう。一このありがとうじゃたりません。ありがとうの百こ分、ありがとう、ママ!

ママは英語の天さいだけど、ほかにもいっぱい天さいなところがあります。世界中の時こくを知っていて、風子おばあちゃんが「今、こうすけおじいちゃんのところへ電話しようかしら」って言うと「今、アメリカのボストンは夜の十時半だから、まだおきているでしょう」ってすぐ言えるところ。ぼくが、勉強どうぐをそろえようとすると、なにも見なくても、すぐ明日の時間わりを言ってくれるところ。パパが出かける時、かさをもっていくかまよっていると、「今日のこの地いきのこう水かくりつは二十パーセント」って教えるところ。夜のさん歩の時、月と星の話をいっぱいしてくれるところ。ママは本当にやくに立つ天さいです。ママはぼくの自まんです。ぼく、しょう来のゆめがきまりました。アメリカの大学へ行って何かをけんきゅうします。でも、ぼく、英語がぺらぺらじゃないから、ママに一しょに行ってもらってつうやくをしてもらいたいです。でも、ママはパパが一しょだと安心だから、パパもつれていこうね。

ママ、仕事をやりすぎて、病気にならないでください。この前、パパもぼくもいない時、ごはんを食べるのをわすれて仕事をしていて、だっ水しょうじょうをおこしたね。ぼく、心配でたまりませんでした。ぼく、びんぼうでもいいから、ママ、仕事、やりすぎないでね。

もう宿題プリントがなくなりそうなので、さいごです。

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